EC業界におけるスマートフォンユーザー動向
爆発的な市場の伸び
数年前まで最先端のモバイル端末としてITリテラシーの高い先進層のみが使用していたスマートフォンですが、現在は一般の大衆層にまで裾野が広がり、スマートフォンユーザーは急速に増加しています。
2011年のスマートフォン出荷台数は前年比の2.7倍に伸びており、携帯電話の総出荷数の過半数を占めています。
予想では、2014年にはスマートフォンの契約者が携帯電話の全契約者のうち50%以上を占めると考えられており、2015年にはスマートフォン契約者が携帯電話契約者の70%以上になると考えられています。
また、楽天では12年4-6月期においてスマートフォンでの流通額が、従来の携帯電話(いわゆるガラケー)の流通額を超えたと発表しました。
楽天の三木谷社長は、3年以内にスマートフォンの流通額が全体の50%を超えてくるのではないかとも話しています。
楽天以外にも各ショッピングモールではスマートフォン経由の商品購入にポイント付与率が高くなるキャンペーンを行うなど、積極的にスマートフォンでの集客に注力しています。
既にビッダーズでは流通額の半分以上がスマートフォン経由となっています。
このようなデータからしても、今まさに携帯電話はスマートフォンへと急速にシフトしている最中であり、今後ますます成長していく市場であることは明らかです。
各デバイスにおけるネットショッピングの利用経験率
各デバイスにおけるネットショッピング経験の有無は、PCから買い物とした経験があるユーザーは94%で、スマートフォンから買い物をした事のあるユーザーが45%となっています。
現時点では、まだPCからのネットショッピング経験者は圧倒的に多く、スマートフォンからのネットショッピングは案外少ないような印象を受けます。
(PCでのネットショッピングが本格的に開始されてからの経過年数を考えると、94%のユーザーがネットショッピングを経験したことがあるという数字は妥当なのかもしれません。)
しかし、今後のスマートフォンの普及率の伸びや、スマートフォン向けネットショッピングへのサービスの増加、スマートフォンにおけるネットショッピングサービスの成熟を考えれば、今まさに成長しているジャンルであると考えることができます。
PCサイトのみでネットショップを運用するのではなくスマートフォンサイトを併設することで売上は伸びるでしょうし、競合サイトに先駆けてスマートフォンサイトを作成してみる事は大きな意味を持つと考えられます。
スマートフォンの登場による生活の変化
各携帯キャリアのスマートフォンのデータ通信契約は、毎月固定額を支払うプランが一般的です。
これにより、従来の携帯電話よりも利用頻度・利用時間ともに増加していて、移動中などの少しの空き時間に利用する機会が増加しています。
つまり、欲しいものがあればその場で購入するという商品購入の機会が増加しているのです。
さらに、スマートフォンを利用して合間の時間に商品を購入するユーザーの増加に加え、自宅にいてもPCを立ち上げることなくスマートフォンでネットショップを利用するなど、スマートフォンの普及によりスタイルの変化が起きています。
急増するスマートフォンユーザーを取る込むことが、今後のネットショップの成功の鍵を握っています。